CLT(直交集成板)の建築物が続々登場。


以前にご紹介した「CLT」を用いた建築物の話題の続報です。

CLT(直交集成板)を使用した木造平屋建ての実験棟が完成。
一般的には床や壁など平面での使用を用いられますが、八角すいの屋根や八面体の壁面に採用。
平面以外の活用方法を示しました。

5階建ての木造ビルということですが、正確には1階がRC構造で、その上に木造の4階分が建つ構造になっています。
木造で建築するのは技術的には可能とされていますが、建築基準法の関係で5階以上は難しいことが理由となっているようです。
来春完成予定。

ハウステンボスの「変なホテル」第2期棟の建設現場が公開され、全国から500人ほど見学かいいに参加したようです。
ホテルは木造2階建てで3棟、計72室。来年3月オープン予定。

日刊木材新聞の「変なホテル」の記事の中で、CLTの課題として多量のビスの打ち込み時間、基礎工事のアンカーセットの精度、CLTの湿度による収縮があげられています。
また、施工面では他工法よりも工期は短縮されますが、ラミナからの製造期間、大臣認定・試験などを考慮すると逆に長くなってしまう点とトラック輸送できるサイズの問題も改善点としてあげられています。
あとは価格。

CLTは、寸法安定性が高く、強度があり、耐震・耐火性能も高く、パネルなので建設もシンプルで工期も短くできるとされており、欧米では既に広く用いられており、10階建て以上のビルも建てられています。

日本でも国産CLTの開発を成長戦略に含めており、実用化に向けて進めているようですが、まだ、建材として建築基準法で認められてはいません。
建築に使用するには個別に実験し、構造計算をして国土交通大臣の認可を取らなくてはいけないので、手間もコストもかかってしまいます。

「変なホテル」の場合も、個別に大臣認定を取得したようです。
技術と法整備のスピード感が違うのでしょうねえ。

「奈良に先進的な木造の公共建設物が建つ意義を考えて決断しました。」
と、社会福祉法人ぷろぼの理事長は仰っています。
手間とコストよりも、来訪者への思いやり、地元の林業への貢献、建設の意義。

先駆者達の決断が道を作って行くんだなあと感じ入ります。

太平製作所

社会福祉法人ぷろぼの

ハウステンボス 変なホテル